冗談じゃねー、やってられねーよ!
先日、職場でこんな会話を耳にしました。
同僚「元気?」
A「元気じゃないよー」
同僚「どした?」
A「役職定年なんだよ。今月から!」
同僚「誕生日来たんだ?」
A「そう。冗談じゃねー、やってられねーよ!やること変わらないんだぜ。だけど給料めっちゃ下がった。いきなりアイツが上司になるし。」
50代になると、多くの会社員が直面する「役職定年」。同じ仕事をしているのに、ある日突然、肩書きも給料も下がる制度です。
「自分にも、いつか来るのだろうか」と漠然とした不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
実はこの役職定年、大企業の約5割が導入しているとも言われる、かなり一般的な制度です。そして給料の下がり方も、決して小さくありません。
この記事では、役職定年でなぜ給料が下がるのか、その仕組みと実際のデータ、そして今からできる備えについて解説します。
読み終える頃には、「知らずに迎えるショック」を「知った上での心構え」に変えられるはずです。
役職定年とは何か?なぜ導入されているのか

役職定年とは、50代中盤を目安に、一定の年齢に達した社員が管理職などの役職から退く制度のことです。
同じ仕事内容であっても、役職がなくなることで基本給や役職手当が減額され、結果として年収が大きく下がります。さらに、昨日まで部下だった人が、今日から上司になるというケースも珍しくありません。
この制度が広く導入されている理由は、若手・中堅社員のポスト不足を解消するためです。年功序列で管理職が固定化されると、下の世代がいつまでも役職に就けません。役職定年は、組織の新陳代謝を保つための仕組みとして機能しています。
一方で、対象となる50代社員本人にとっては、モチベーションの低下や、アイデンティティの揺らぎにつながりやすい制度でもあります。
実際どれくらい給料は下がるのか

結論から言うと、役職定年による年収の減少幅は20%〜50%にのぼるケースもあります。
なぜこれほど大きく下がるのでしょうか。理由は、役職手当の喪失に加え、基本給の見直し、評価制度の変更が同時に発生するためです。管理職としての「責任」に対する対価がまとめて外れる形になります。
具体的な調査データを見てみましょう。リクルートマネジメントソリューションズ(RMS)の調査によると、約53%の人が10%〜30%の減収を経験しているという結果が出ています。決して一部の人だけの話ではなく、役職定年を迎える人の半数以上が、実際に大きな収入減を経験しているのです。
このように、「なんとなく給料が下がるらしい」という漠然とした認識ではなく、「半数以上が10〜30%、場合によっては50%の減収を経験する」という具体的な数字で捉えておくことが、心構えとしてはとても重要です。
役職定年は夫婦関係にも影響する
給料の減少は、実は本人だけの問題では終わりません。
2022年に離婚した夫婦のうち、「熟年離婚」の割合は23.5%と、統計上過去最多を記録しました。寿命が延びていることを背景と考える見方もありますが、気になるのは、定年前の役職定年で年収が大きく減り、それが夫婦間の亀裂につながっているケースがあるという指摘です。
役職定年は、本人のキャリアだけでなく、家庭というもう一つの土台にも影響を及ぼしうる、想像以上に重いテーマなのです。
今からできる備えとは
役職定年そのものを避けることは、会社員である以上、基本的にはできません。しかし、「知らずに迎えて衝撃を受ける」のと「知った上で備える」のとでは、その後の対応がまったく変わってきます。
備え方として、次のような視点が挙げられます。
- 役職定年後の年収を早めにシミュレーションしておく
- 役職に依存しない自分の市場価値(スキル・経験)を把握しておく
- 会社の給与だけに頼らない収入の柱を、今のうちから育てておく
特に3つ目の「収入の柱を増やす」という視点は、役職定年による減収の影響を相対的に小さくする、現実的な対策と言えます。この点については、また別の記事で詳しく取り上げます。
まとめ:役職定年は「知っているかどうか」で心構えが変わる
役職定年による給料の減少は、20〜50%という決して小さくない規模で、しかも約53%の人が10〜30%の減収を実際に経験しています。給料の減少は、時に夫婦関係にまで影響を及ぼすこともあります。
大切なのは、この現実から目を背けることではなく、早めに知り、備えることです。
次の記事では、「なぜあの頃嫌いだった上司に、自分がなっていたのか」という、役職定年と隣り合わせのもう一つのテーマを取り上げます。
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